2024/07/04 16:02

今回は、大阪府富田林市(おおさかふとんだばやしし)で、農薬や化学肥料を使わずに野菜を育てる
「笑ノ百姓」(えみのひゃくしょう)の園主 中塚和典さんと妻の奈津美さんのストーリーを簡単に紹介します。


笑ノ百姓さんインスタグラム⤵︎



=自分で育てた小松菜は美味しかった=
中塚さんご夫妻は、現在大阪府富田林市で農業をされていますが、元々は会社員で農業とは無縁の日々でした。

ある日、もともと食に興味のあったご主人の和典さんは、会社員をしながら家庭菜園で野菜の栽培を始めました。
そのとき自分が育てた無農薬の小松菜を食べて、その美味しさに感動し、
「野菜を育てることを仕事にしたい…」
と思うようになりました。


=オラ農家になる!その時妻は…=
会社員をしながらも、野菜栽培の魅力にすっかりハマった和典さんは、農業への想いを募らせます。
しかし、幼い2人の子どものことを考えると、農業で安定した収入を得られるか心配でした。

それでも、野菜栽培への想いは強く諦めきれず、ついに妻の菜津美さんへ打ち明けます。
「農業をしたい。もっと野菜の栽培がしたい」
すると奈津美さんは、
「うん。いいと思う」
と、あっさり同意します。

菜津美さんに背中を押してもらった和典さんは、2017年に農業研修に申し込みます。
そして、会社員をしながら農業研修を1年半続け、2019年5月に専業農家としてスタートしました。


=今は200品目超!でも、はじめは3品目=
専業農家としてスタートしましたが、最初は苦労の連続でした。
3品目の野菜を育てても、家庭菜園のように上手くいかない。
「研修と違って、自分が借りた畑は土壌が育っていない」

とにかく、土を育てることに明け暮れる日々でした。
その経験から、今でも畑の2/3で野菜の栽培をして、1/3は何も植えずに土づくりに専念されています。

現在は、総面積約12000坪の畑で、年間200種類以上の野菜を愛情込めて栽培中です。
その中から、旬の美味しい野菜をセットにして販売されています。

畑の様子(インスタグラム)↓


=夫の野菜は妻であるわたしが売る=
農家さんはいくら野菜を作っても、買ってもらわなければ収入はありません。
笑ノ百姓さんも、最初は野菜を直売所に持ち込んでましたが、他の農家さんと競り合うと低価格競争に巻き込まれます。
無農薬・無化学肥料栽培で手間ひまかけても、まったく思うような売上にはなりませんでした。

そこで妻の菜津美さんは、SNSで野菜情報の発信を始めました。
コツコツと日々SNS発信することで、徐々に笑ノ百姓さんの評判は広がっていきます。

さらにお店の店頭を借りての「軒先マルシェ」や、イベント出店などで、お客様との対面販売の機会を増やしていきました。
そうして認知を広げ、多くの野菜セットの注文を頂くようになったのです。


=美味しいの声が聞こえる=
笑ノ百姓さんは、毎週火曜日と金曜日に、採れたての野菜セットをお客様へお届けしています。

定期購入されるお客様のお宅へ中塚さん自身が配達をして、野菜に関する質問を受けたり、食べ方の提案など、コミュニケーションも欠かしません。
そこで、
「前回のトマト美味しかったー!」
「中塚さんの野菜を食べてると、季節の移り変わりを感じるね」
など、嬉しい声をたくさん聞くようになりました。

時には厳しい声もありますが、生の声を聞くことで、農家としての喜びとやり甲斐を感じられます。

この、地産地消でもあり理想的な都市近郊型の農業を、中塚さんご夫妻は体現されているのです。


=屋号 「笑ノ百姓」の由来=
「笑ノ百姓」とは、無農薬・無化学肥料栽培という、非常に手のかかかる方法です。
それでも、野菜がスクスク育つのを見ると、嬉しくて「ニヤッ」と笑みがこぼれる。
そして、その野菜をお届けしたお客様のご家庭でも、食べて「ニヤッ」と顔がほころぶ瞬間を生み出す。
「何気ない日常に、ほんの少しの幸せを、野菜を通して届けたい」
そんな想いで、中塚さんご夫妻は今日も野菜と向き合っています。




………………




=あとがき=
笑ノ百姓さんの野菜を初めて食べたのは、かれこれ2年前です。
わたしは鈍感なので、その野菜の素晴らしさに初めは気づきませんでした。
しかし食べ続けるうちに、地元の旬野菜の持つ力を感じるようになりました。
「元気な野菜を食べれば、人間も元気になれる」
科学的根拠やデータなどは全くありませんが、わたしの体感としてそれは間違っていないと思います。

中塚さんご夫妻は普段から明るく、直売所に行くと野菜のことなど親切に教えてくれます。
その様子を見ると、
「この二人は、ホントに野菜が好きなんだなぁ」
と感じます。

そんな愛情たっぷりの野菜セットを食べて、今日も一人でニヤッとしています。

【VIVA VEGE】運営者 黒木 国靖